f(x)=x を微分したいと思います。
出来る範囲で調べていますが、学術的に本当に正しいかどうかは保証できません…ご了承くださいm(__)m
学生の方であれば、疑問に思ったところなどは教授・助教授、その他周りの方に確認してくださいね。
f(x)=xの微分
$f(x)=x$ を微分します。
微分の定義より、
$f'(x)= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{h}$
f(x)=x より、
$f'(x)= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{(x+h)-x}{h}$
$= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{h}{h}$
$= \displaystyle \lim_{h \to 0} 1$
「h」は存在しないので、「h」を0に限りなく近づけても$\displaystyle \lim_{h \to 0}$ 内は変わりません。
よって、
$f'(x)= 1$
終了。
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f(x)=xの微分(以下、棒さんたちのやり取りバージョン)
それでは、$f(x)=x$ を微分します。
まず、微分の定義より、
$f'(x)= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{h}$
では、棒也くん。
次に、f(x)=x より、どのようになるか分かりますか?
はい!考えてみますね。
$f(x)=x$ なので、$f(x+h)=x+h$となって、それぞれ置き換えると…
$f'(x)= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{(x+h)-x}{h}$
となると思います!
その通りです。では、引き続き計算もしてくれますか?
はい!
まず、「x」と「-x」で消えて、
$f'(x)= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{(x+h)-x}{h} = \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{h}{h}$
「h÷h」は「1」なので、
$= \displaystyle \lim_{h \to 0} 1$
(うなずき)
あとは、$\displaystyle \lim_{h \to 0}$ ですが…「h」を0に近づけるにも「h」が存在しないので、
$f'(x)= 1$
…。これで合っていますか…?
はい。それで正解です。
棒也くん、ありがとうございました。
計算してくれた通り、$f(x)=x$ を微分すると「$1$」になります。
不定積分∫1dx の解になる
微分と積分には$f(x) = \int g(x)dx$のとき$f'(x) = g(x)$をいう関係があります。
まだ、証明していませんが、いったん使えるものとさせてくださいね。
すると、今回の微分の結果から、下記が成立することが言えます。
$\int 1dx = x + C (Cは積分定数)$
(ボソボソ)
先ほどの微分から$f(x)=x$のとき$f'(x)=1$ということが分かって…
$f(x) = \int g(x)dx$ に当てはめると$f(x)=x$で…微分と積分の関係から$f'(x)=g(x)$なので$g(x)=1$が入って…
$x = \int 1dx$ となる。不定積分を式の左側に持っていくと…
$\int 1dx = x$
…あれ?「+C」って何ですか?
積分定数C
説明していませんでしたね。詳しくはまた違う機会に説明しますが…
そうですね。まず$f(x)=C (Cは定数)$のとき、$f(x)$を微分すると$f'(x)=0$になるんです。
では、棒也くん。実際に$f(x)=C (Cは定数)$を微分の定義にあてはめてみてください。
はい!
$f'(x)= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{h}$
$= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{C-C}{h}$
$= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{0}{h}$
$= \displaystyle \lim_{h \to 0} 0$
$= 0$
あっ、本当ですね!$f'(x)=0$になりました!
「x」が出てこないから、$f(x+h)-f(x)$ が必ず「0」になるんですね!
そのとおりです。
では、次に$f(x)=x+C (Cは定数)$のときも微分してみてください。
はい!
$f'(x)= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{h}$
$= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{((x+h)+C)-(x+C)}{h}$
まず、「x」と「-x」で消えて、あっ、「C」と「-C」で「C」も消えます!
そうなんです。xに依存しない定数部分は必ず$f(x+h)-f(x)$で消えます。
念のため、棒也くんの計算を進めると
$= \displaystyle \lim_{h \to 0} \frac{h}{h}$
となりますので、$f(x)=x$と同じ形になりましたね。
つまり、$f(x)=x+C$も微分すると「1」となります。
なるほどです!
不定積分の解としては、任意の数を加えても成立するから、「+(積分)定数」が答えになるんですね。
ということは、最初に僕が考えた形$\int 1dx = x$は「積分定数Cが0」の時だったわけですね。
はい、そうなりますね。
ちなみに、「定数」は英語で「constant」なので、その頭文字をとって「C」を使っています。ですが、積分定数Aと明記すれば「A」など「C」以外でも問題ありません。
そうなんですね!
それでは、少し長くなってしまいましたが、今回は以上となります。
今回のように微分をしたタイミングで微分の解を覚えておくと、積分を解くときに役に立ちそうですね。今後も微分を解いた際は不定積分の形でも表記するようにしますね。
それでは、棒也くん、お付き合いいただき、ありがとうございました。
とんでもないです!こちらこそありがとうございます!
それでは、次回もよろしくお願いします!
まとめ
今回の話を少しまとめておきます。
- $f(x)=xのとき、$f'(x)=1$となる
- 微分と積分には$f(x) = \int g(x)dx$のとき$f'(x) = g(x)$をいう関係がある
- $\int 1dx = x + C (Cは積分定数)$
- 不定積分の解には「+C」を忘れないようにしよう(特に学生さん)
出来る範囲で調べていますが、学術的に本当に正しいかどうかは保証できません…ご了承くださいm(__)m
学生の方であれば、疑問に思ったところなどは教授・助教授、その他周りの方に確認してくださいね。
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