小中高では数学・算数と様々な記号が出てきたと思います。例えば、「+」「-」「×」「÷」や「=」「≧」「≦」などなど多くの記号を目にしてきました。
では、大学に入った後に見かける記号に馴染みはありますかね?
はい!あまり無いと思います!
棒也くん、ありがとうございます。
それでは、大学に入ってから出てくる記号や小中高でも出てきた記号をいくつかチェックしておきましょう。
出来る範囲で調べていますが、学術的に本当に正しいかどうかは保証できません…ご了承くださいm(__)m
学生の方であれば、疑問に思ったところなどは教授・助教授、その他周りの方に確認してくださいね。
∈(属する)
まずは「∈」という記号です。
「フォーク」の先みたいですね。
そうですね(微笑)。
この「∈」は属するという意味で、例えば「A」という何かの集合があって「x∈A」と書かれていたとします。このとき「xという要素(元)はAに属する」ことを表しています。
属する…
ということは、もし僕が「ラック」という会社の社員であれば「棒也∈ラック」ということですか??
棒也くん。
良いですね。その理解で大きな問題はありません。
少し数学に寄せた例を挙げると、自然数全体を集合$\mathbb{N}$とします。すると、「1∈$\mathbb{N}$」「10∈$\mathbb{N}$」と書くことができます。
「1」も「10」も自然数だからそのように書くことができるんですね。
そう、その通りです。
また、「1や10は自然数に含まれる」とも言います。「含む」というワードの方が聞き馴染みがありますかね?
そうですね…たしかに「ビタミンCを多く含む」とかよく耳にします。
でも、「サッカー部に所属しています」とかも使ったりするので、どちらでも何となく意味はつかめる気がします!
なるほどですね。
では、イメージしやすい方で思い出してみてくださいね。
はい!
ところで棒先生…「要素(元)」の「元」ってなんですか?
そうですね。「元」について説明していませんでしたね。
次は「元」について少し見てみましょうか。
元
先ほど棒也くんから、質問があった「元」について説明しますね。
「A」という何かの集合があったとき、この集合Aを構成するための個々の要素が「元」です。
…
んー…
すみません、具体例を見た方がイメージしやすいかもしれませんね。
では、先ほどもあげましたが自然数全体の集合を例に見てみましょう。
自然数は「1」「2」「3」・・・という数字が集まった集合です。この個々の「1」や「2」などが「元」になります。
ありがとうございます。
何となく…分かったような気がします。
化学とかででてくる「元素」みたいなイメージですかね?
たしか「元素」は物質を分けて分けて、もうこれ以上分けれない!というもので、なんとなく似ているなーと。
そうですね。非常に似ていますね。
そのイメージで問題ありません。
ありがとうございます!
僕がラックという会社の1社員であれば、僕が「元」ということは、なんとなく分かりました。
…ただ1つ気になったことがあります…
どのようなことが気になりましたか?
えーっと、例えば「20代の社員全員」とかだと、「元」にはならないのかなー?と思いまして。
なるほど。棒也くん、質問ありがとうございます。
では、次はそれについて見ていきましょうか。
あっ、それと今みたいに気になることは気兼ねなく何でも聞いてくださいね。
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集合の書き方
すみません、棒也くん。先ほどの質問の前に少し「集合の書き方」についてお話させてください。
はい!全然問題ないです!
よろしくお願いします。
ありがとうございます。
それでは、先ほどから何度か話にあがっている自然数の集合を例に見てみましょう。
自然数全体の集合$\mathbb{N}$は$\mathbb{N}$={1, 2, 3, 4, …}と書きます。中括弧の中にカンマ区切りで元を書きます。
先生。4の後ろが「…」となっているのは自然数は無限に続くからですか??
棒也くん、その通りです。
じゃあ、先生。1~10等のくじが入ったくじ引きの箱を集合と見れば、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}ということですね?
飲み込みが早いですね。その通りです。
ちなみに、1つしか元がない{1}のような集合もありますし、元を持たない{}と空集合というものもあります。
へ~、そうなんですね。
たしかに、「世界に一つだけの花」という集合があれば、元は1つですもんね。
それは面白いですね。たしかにそうなりますね。
空集合は公理的集合論に触れる際に改めてご紹介しますね。元を持たない集合は1つしか存在しないことも証明したいと思いますので、楽しみにしておいてください。
はい!分かりました。
これで集合の書き方についてはお終いです。お付き合いいただきありがとうございます。
それでは、話を戻しましょう。
部分集合
「例えば「20代の社員全員」とかだと、「元」にはならないのか?」という質問でしたね。
結論から言いますと、これは部分集合と言います。
「社員全体の集合」の中の「一部分の集合」だから部分集合ということですか?
はい、その通りです。相変わらず察しが良いですね。
今後、部分集合に関する定義も見ていきたいと思いますが、定義を書くにしても記号が必要になりますので、一通り記号のお話をできればと思います。
ですので、現時点では今の理解で問題ありません。
はい!分かりました!
ありがとうございます。
もう少しだけお話しておくと、先ほどの「集合」の話で出てきた{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}や{1}、空集合{}も全て「自然数全体の集合」の部分集合になります。ちなみに、空集合{}はすべての集合に対して部分集合となりますよ。
今後、「空集合{}はすべての集合に対して部分集合」についても証明できればと思います。
なるほどですね。たしかに考えてみればそうですね!
それにしても、空集合はとても特別な存在なんですね。
そうですね。
おっと、少し長くなってきましたので、他の記号については次にしましょう。
棒也くん、お疲れさまでした。お付き合いいただき、ありがとうございます。
とんでもないです!こちらこそありがとうございます!
それでは、次回もよろしくお願いします!
まとめ
今回の話を少しまとめておきます。
- 集合Aに対して「x∈A」とはxという要素(元)はAに属するという意味
- 集合Aを構成するための個々の要素が「元」
※自然数であれば「1」や「2」など - 集合は{1, 2, 3, 4, …}、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}、{1}、{}というように書く
- {1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}や{1}、空集合{}も全て「自然数全体の集合」の部分集合
- 空集合{}はすべての集合に対して部分集合
出来る範囲で調べていますが、学術的に本当に正しいかどうかは保証できません…ご了承くださいm(__)m
学生の方であれば、疑問に思ったところなどは教授・助教授、その他周りの方に確認してくださいね。
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