【2021年レンタルサーバ比較】 さくらのレンタルサーバ徹底調査

数多くあるレンタルサーバから一つを選ぶのはたいへん苦労します。今まで多くのサイトを作成した中でいろいろなレンタルサーバを見てきました。その経験を踏まえてどういった内容かを徹底的に調べてみたいと思います。

今回はさくらのレンタルサーバについて徹底的に見てみます。



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プランの違い

さくらのレンタルサーバのプランはスタンダード、プレミアム、ビジネスとあります。
※いくつかのプランをピックアップしています

違いは下記のとおりです。結構違いがありますね。他のレンタルサーバと違って気になるのは無料CDNの有無になります。次にFTPの複数アカウントです

  • 初期費用
  • 月額費用
  • ディスク容量
  • 転送量目安
  • 無料CDNの有無
  • FTPの複数アカウント
  • マルチドメイン数
  • MySQLデータベース数
  • メーリングリスト

違いを表で確認

項目 スタンダード プレミアム ビジネス
初期費用 1,048円
(税込)
1,048円
(税込)
5,238円
(税込)
月額 524円
(税込)
1,571円
(税込)
2,619円
(税込)
年間一括 5,238円
(税込)
15,714円
(税込)
26,191円
(税込)
ディスク容量 100GB 200GB 300GB
転送量 160GB/日
※参考:約4.8TB/月
200GB/日
※参考:約6TB/月
230GB/日
※参考:約4.9TB/月
無料CDN × ○(1,100円分) ○(1,100円分)
FTPのアカウント 1つ 1つ 複数
マルチドメイン 200個 300個 400個
MySQLデータベース 50個 100個 200個
メーリングリスト 10個 20個 30個

それでは、違いに関して少し詳しく見てみましょう。

どのプランを選べばいい?

まずはディスクスペース、つまり容量がどれくらい必要かで選びます。これが基本になります。それに加えて、無料CDNの有無とFTPの複数アカウント数についても考える必要があるでしょう。

容量について

容量は多めに見ておく必要があります。なぜかと言いますと、さくらのレンタルサーバではプラン変更ができません。つまり、「スタンダード」契約後、容量が足らなくなった場合は、別途上のプランの契約が必要になります

その場合、サイトの移行やメールアカウントの移行など作業が発生します。移行が自分で出来ない場合は、制作会社などに依頼する必要も出てきて、費用も発生してしまいます。

容量に関しては余裕を持って選ぶようにしましょう。

無料CDNの有無

詳しくは後ほど説明しますが、CDNを使うと、サイト表示を早くすることができます。つまり、ページ読み込みが遅くて離脱してしまっていた人を減少させることが期待できます。

さくらのレンタルサーバでは「プレミアム」以上では1,100円分のCDNが無料で使えます。1,100円だとどれくらい?と思いますよね。参考までですが、画像の多いサイトだと月間約4万PV分くらい使えるようです。

ちなみに「スタンダード」だとオプション利用ですので、524円+1,100円で1,624円となり、「プレミアム」より高くなってしまいます。よって、サイトの高速表示を考えている方は「プレミアム」以上を契約した方が良いでしょう

FTPの複数アカウント

「プレミアム」以下だと、FTPアカウントは1つしか使えません。よって、サイト制作を依頼する場合には、自分も使うFTPの情報を教えなければなりません。セキュリティ面を考えると、パスワードを変更してから渡して、サイト制作が一通り終わったら、パスワードを再度変更するのが良いでしょう。

もし、1つしかないFTP情報を渡すのが嫌な方や、パスワードを変更するのが面倒という方はよく考えてみましょう。

ただ、「プレミアム」から「ビジネス」に変えると月額950円ほど高くなります。年間払いでも、10,477円ちょっと高くなってしまいます。

ここまで変わるのであれば、手間ではありますがパスワードを変更する、もしくは、他のレンタルサーバも検討してみてはいかがでしょうか。

なぜ、転送量を考える必要がないのか?

160GB/日であれば、月間30万PVつまり日間1万PVくらいまでであれば、特に気にする必要はありません。

転送量を超えてしまうと、制限を受けてサイトが表示されなくなってしまいます(503エラー)ので、PV数が増えてきたと思ったら、早めにプランを見直す必要があるでしょう。

転送量について考えてみたので気になる方はどうぞ

ただし、サーバ移行の場合は…

サーバ移行の場合は、元々アクセスが多くある可能性があります。念のため30万PVを超えるようなサイトであれば、転送量は確認した方が良いと思います。

さくらのレンタルサーバについて詳しく見る

では、さくらのレンタルサーバの特徴や機能を詳しく見ていきたいと思います。私が今まで触ったことがないサーバを含め10個のレンタルサーバについて特徴を比較してみました。その結果や他と比較してどうかという点から見ていきます。

※以下、記述順は、気になりそうな内容から並べています

費用と容量

まずは、プランによって違いがある費用と容量について見ていきます。容量だけ見るのであれば、僕のオススメはスタンダードです。理由は後述します。

項目 スタンダード プレミアム ビジネス
初期費用 1,048円
(税込)
1,048円
(税込)
5,238円
(税込)
月額 524円
(税込)
1,571円
(税込)
2,619円
(税込)
年間一括 5,238円
(税込)
15,714円
(税込)
26,191円
(税込)
ディスクスペース
(SSD)
100GB 200GB 300GB

初期費用

レンタルサーバーやプランを決める時に初期費用で比較する必要はないと思います。レンタルサーバは基本的には長期間使います。初期費用は支払いは一度で金額も千円~5000円です。気にする必要はないでしょう。

月額費用(年間一括)

月額費用は毎年(毎月)掛かる費用です。

私自身レンタルサーバは1年契約にしているのと、お客さんも特別な理由がなければ1年契約が多いのでそちらを掲載しています。

上表の通りスタンダード、プレミアムの差額は10,476です。毎年この差額が発生しますので、無駄な経費が掛からないようプランを選びましょう。

容量はどれくらい必要?(僕の経験から参考までに)

ディスクスペース、つまり容量がどれくらい必要かを考えましょう。

今までに多くのサイトを作成してきた経験から、普通のサイトであれば100GBあれば十分だと思います。ただし、さくらのレンタルサーバプラン変更ができません。よって、定期的に画像をたくさんアップロードするなど容量に少し不安がある場合は、プレミアムまたは他のレンタルサーバを検討した方が良いでしょう。

ということで、僕のオススメはスタンダードです。100Gもあるので当分の間、問題なく運用できると思います。

詳しくは下記に投稿しています。「なぜ100GBで十分」か気になる方はご覧ください。

大企業や変わった使い方をする方は要注意

社員数が多く全社員がメールも使うという大企業さんや、自分のホームページ以外のサイトもたくさん作るなど特殊な使い方をする場合は、100GBでは足りない場合があります。用途を洗い出した上でさくらのレンタルサーバさんにご相談ください。

無料独自SSL

2021年2月現在、SSLは必須だとお考えください。SSLって何?という方は「http://~~」ではなく「https://~~」としてくれるものという程度でOKです。

なぜ必須かといいますと、GoogleのChromeでは、URLバーのところに「保護されていない通信」と表示されます。また、Google検索の結果でもSSLありの方が有利です。安全なものを表示するのは当たり前ですよね。

現在、日本でも世界でもNo.1シェアのブラウザであるChromeおよびGoogleがそういった対応をしている以上、無視はできません。よって、SSLは必須です。設定すればメリットしかなく、未設定であれば大きなデメリットとなります。

さくらのレンタルサーバは無料の独自SSLがあります。追加費用なく、SSLの設定が出来ます。有料のものもありますが、一先ず無料のもので十分でしょう。

無料CDN

プレミアム以上に1,100円分の無料CDNがついています。PVでいうと、画像の多いサイトだと月間約4万PV分くらい分のようです(参考だとは思いますが)。

さて、このCDNを設定すると下記のような効果があります。

  • ページ表示を高速化
  • 大量アクセス時でも安定表示

※ちなみに設定は簡単なのでご安心ください

例えば、広告やイベント開催などでアクセスが集中する場合には有効だと思います。

ただ、本音をいうと、アクセスに時間が掛かると離脱が増えため、常に月間4万PV分くらいまでの高速化の恩恵は受けたいところです。ただ、「プレミアム」以上にすると費用がネックになります。非常に悩ましいところです…。

バックアップ

さくらのレンタルサーバではスナップショットと連携してバックアップファイルを作成することができます。バックアップのスケジュールを設定することも可能なので、週1でバックアップする等の設定をすることで、もし間違って消してしまった場合など復旧することが可能です。

ただし、8世代分までしかバックアップできないので、古いものから削除するようにしましょう。

操作もコントロールパネルで簡単に行えます。しかも費用は掛かりません。

リスクヘッジになる機能が無料で付いています。ここもオススメポイントです!

サポート

サポートにはメールとチャット電話のサポートがあります。

メールは24時間受け付けられていて、営業時間内(10:00~18:00)に返信があるようです。1日2日で返信はあるかと思います。さくらのレンタルサーバで僕が問い合わせたときは翌営業日の昼頃に返信がありました。

また、急ぎの場合は電話サポートもあります。平日の10:00~18:00に限られますが、トラブルがあった時など電話で聞けるのは心強いです。しかも、電話であれば細かいニュアンスなども拾ってもらえる可能性もあるので、本人がよく分かっていない場合には適しているかもしれませんね。⇒ただし、現状コロナの影響で休止中です。

ただし、技術的な質問になると、「フォームからの問い合わせが必要になります」と言われる場合があります。僕の質問はそちらのことが多いので経験済です。オペレータさんが回答しやすいように確認すると電話で聞ける事もありますが、「フォームから…」と言われたら、諦めてフォームから問い合わせましょう。

案外チャットの問い合わせも良い

チャットでの問い合わせもあります。こちらも10:00~18:00の間使うことができます。

最近、実際にチャットで問い合わせをしたのですが、キーボードを打つ以外は電話での問い合わせと遜色ありませんでした。電話より待ち時間は短い印象ですし、返信もリアルタイム(オペレータさんも考える時間があるので少し返信に時間は掛かります)でしてくれます。

チャットでの問い合わせも結構オススメですね。これから僕自身もチャットでの問い合わせも増えるかと思いますので、何か分かりましたら追記しますね。

お試し期間

2週間のお試し期間があります

お試し期間はなくても問題ありませんが、管理画面など操作感や実際の機能を試してみることができます。実際に触って分かることもあるので、お試し期間があって損することはありません。有難く試させていただきましょう。



安心材料

いくつか安心材料となる情報が提示されていますので、見ていきましょう。

利用件数

利用件数が45万突破 です。十分な利用件数だと思います。

利用者さんが多いと、何か分からないことがあったときに、調べると本当にたくさん情報が出てきます。問い合わせたらいいと思うかもしれませんが、細かい内容などはオペレータさんよりググった方が分かる場合もあります。

また、技術面だと問い合わせ後、1日くらいは待つ必要があったりします。調べて出てくるのであれば、それに越したことはありません。

サーバ稼働率

サーバ稼働率は99.99%以上です。ほぼほぼ動いているということです。

このパーセンテージは大切です。サーバが稼働していないとサイトが見れませんし、メールも正常に送受信できないかもしれません。ですが、99.99%以上なので、特に心配する必要はありません。

サービスの期間

超老舗のレンタルサーバです。1996年からなので、25年ほどです。

実際、僕も長期(10年ほど)に渡って利用していたので、仕様も良くなった記憶もありますし、覚えている範囲では大きな障害もありませんでした。

25年以上大きな問題なくサービスが提供されています。たいへん安心できますね。

機能面

サイトを制作する視点から押さえたい点をご紹介します。大体はWordpressで作成するので、PHP、MySQLは必須ですね。また、独自ドメインを取得しない人はほとんどいないでしょう。

  • 独自ドメイン⇒必須
  • MySQL(データベース)⇒ある程度の数作れる(無制限だと安心)
  • PHP⇒PHP7が使えれば十分

次にサイト制作とは関係なく僕が見ておきたいと思う点です。「他のドメインで何かやりたい」ということはよくあります。よって、ドメインは複数設定できることを確認しておきたいですね。また、FTPもあると便利ですし、誰かにサイト作成を依頼するのであれば、FTPアカウントを複数作れると便利です。

  • マルチドメイン⇒ある程度の数作れる(無制限だと安心)
  • FTPアカウント⇒ある程度の数作れる(無制限だと安心)

以下、基本的な機能を表でまとめておきます。

項目 内容 備考
データベース
MySQL
50個 /
100個 /
200個
スタンダードで50個利用できます。自分のところの会社関係だけで使うのであれば特に問題はありません。
ただし、お客さんなど他の人のサイトを置きたい場合は、足りなくなる可能性があります。
Wordpressを使うことができます。
他にもシステムを使ってサイトを構築するのであれば、複数必要になります。
URLアドレス 独自ドメイン 好きなドメインを使えます。
※誰かに取得されているドメインは使用できません
マルチドメイン 200個 /
300個 /
400個
スタンダードで200個利用できます。自分のところの会社関係だけで使うのであれば特に問題はありません。
ただし、お客さんなど他の人のサイトを置きたい場合は、足りなくなる可能性があります。
自分のサイトだけであれば、1つあれば十分です。
ですが、何かのキャンペーンなどで別のドメインを使いたい時に新しく取得できます。
サブドメイン マルチドメインに含む マルチドメインの個数として数えられます。よって、サブドメインを作成するとマルチドメインを圧迫しますので、あまり使いすぎるのはよくないかもしれません。
「lucklog.info」に対して「blog.lucklog.info」というサブドメインを設定できます。
ドメインと同じように扱えます。サイトとブログでドメインを分けたい場合などに使えますね。
PHP PHP5/7 PHP5も7も使えるので何も心配ありません。
古いサーバから移行したい場合にPHP5が必要な場合があります。
通常はPHP7があれば十分です。
SSI SSIが使えます。
旧サイトを移行する場合にSSIが使用されている場合でも、そのまま移行できます。
PHPでも代用は可能なのでそこまで重視する必要はないかと思います。
簡単インストール WordPressなどを簡単にインストールできます。
Webページ
アクセス制限
制作中のサイトをチェックする場合に、限られた人だけが見れるように設定できます。
サイト公開まで制限を掛けておけば、安心してサイト作成・チェックができますね。
.htaccess
編集機能
このファイルを編集することで、「http」から「https」へと遷移させたりできます。
FTP
アカウント
1/複数 スタンダード、プレミアムの場合1つしか使えません。ビジネス以上の場合は、複数可能なので、特に心配ありません。
外部の人にサイト作成をお願いする場合に、FTPアカウントを作成して渡すこともできます。
そうすれば、サーバのログイン情報などを渡さずに対応してもらえます。
ですが、プレミアム以下の方は上記ができませんので、パスワードを変更して渡して、不要になったら再度変更するようなセキュリティ対策が必要かと思います。
メール
アカウント
無制限 無制限なので、何も心配ありません。
社員全員にアドレスを作成したりできます。
メーリング
リスト
10個 /
20個 /
30個
スタンダードは10個、プレミアムは20個、ビジネスは30件メーリングリストが作成できます。
チームごとにリスト作成することでプロジェクト管理などに使えます。
ただし、件数に制限があるのでご注意ください。
メール転送 普段使うメールへ転送しておけば、メールの管理がしやすくなります。

サポート機能

専門用語が並ぶので、このあたりは見ても…という感じですかね。

ざっくり説明すると、多量のアクセスに強い、サイトの表示が早い、安全、といった内容です。サーバは何を使っているか?その他の付属品やソフトはどういったものが入っているかなどの情報です。

さくらのレンタルサーバさんの情報で記載されているものを一通り見ましたが、十分な機能だと思います。

いくつか表でまとめておきます。

項目 内容 備考
nginx + Apache2.4系 大量の同時アクセスに強いです。
広告などを使ってアクセスを急速に集める場合などに助かります。
RAID構成 RAID10 障害に強く、高速です。
超ざっくり説明すると、データを分割して保存するので高速。
同じファイルの双子も用意するので障害にも強い。
単純にSSDが一つ壊れたくらいなら、データが壊れることはありません。
HTTP/2 SSL化したWebサイトの表示速度が大幅に向上する新しい通信規格です。
WAF ウェブアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃から保護してくれます。

まとめ

いろいろな面からさくらのレンタルサーバさんを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?

さくらのレンタルサーバは10年ほど利用してきました。問い合わせもしやすく、大きな障害もなかったように思います。

 

最後に僕がやはりここが良いという点と気になる点をまとめておきます。

良い点

  • 費用が安い
  • 容量はそれなりに十分ある
  • 無料独自SSL
  • バックアップができる
  • 電話サポートがある
  • チャットサポートがある
  • サイト作成に必要な機能が一式揃っている

気になる点

  • バックアップが自動だとより嬉しい
  • スタンダードにCDNがない
  • プレミアム以下だとFTPアカウントが1つしかない
  • プラン変更できると嬉しい
  • マルチドメインの制限がなくなると嬉しい
    ※十分だとは思いますが、心に余裕ができるので
  • データベースの制限がなくなると嬉しい
    ※十分だとは思いますが、心に余裕ができるので

最後までご覧いただきありがとうございました。参考になれば幸いです。



関連リンク

どのようなところを比較すると良いかまとめてみました。悩んでいる方はご覧ください。

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