レンタルサーバーの仕様を見ていると「転送量目安」という言葉を見かけることがあるかと思います。
転送量って何によって増えるの?アクセス数だとどれくらいなら大丈夫なの?ということについて考えてみたいと思います。
スポンサーリンク転送量目安とは
データ転送量の目安です。300GB/日や9TB/月というように一日またはひと月あたりの転送量の目安で書いてあることが多いです。
例えば、目安を少し超えたくらいであれば、特に制限は掛かりません。ですが、転送量が目安を大きく超えるような場合は、転送などが制限される場合があります。つまり、「これくらいを目途に転送量は抑えてね」という指標になります。
さて、ここで気になるのは「何をしたら転送量がどれくらい増えるのか?」ということではありませんか?詳しく見ていきましょう。
転送量について
- 誰かがWEBサイトを見る
- メールの送受信がある
- FTP等でデータをアップロード&ダウンロードする
これらが転送量を増やします。3つ書きましたが、実際に気にすべきは一つです。
気にする必要がないもの
「メールの送受信がある」「FTP等でデータをアップロード&ダウンロードする」に関してはあまり気にする必要はありません。
この2つとも、基本的に自分でコントロールすることができます。コントロールできるので、迷惑行為などが無い限り、転送量が急激に増加することはあまり考えられないでしょう。
これが気にする必要がない一つの理由です。それでは、個別に見てみます。
メールの送受信について
メールの送受信に関しても、大きなファイルのやり取りだけギガファイル便などのサービスを使えば問題ありません。ファイルのやり取りを除けば、一日・ひと月での転送量はたかが知れています。
ただし、大企業の大人数の社員を抱えていて、その人たちもレンタルサーバのメールを使用するという場合は、話は変わってくるかと思います。
例えば、一人あたり月に300MB使った場合だと、下記のような感じです。
社員数 | 1日の転送量 | 30日の転送量 |
---|---|---|
10人 | 約3GB | 約90GB |
50人 | 約15GB | 約450GB |
100人 | 約30GB | 約900GB |
つまり、社員が100人くらいいる場合は、月に1TBくらいはメールで転送量を使ってしまうということです。
ですので、人数が多い場合は、社員一人平均どれくらいメールを使うかなどを調査し、メールで使う大体の転送量を知っておいた方が良いでしょう。人数が少ない場合はあまり気にする必要はないと思います。
FTP等でのデータのアップロード、ダウンロードについて
FTP等でのデータのアップロード、ダウンロードは、サイト制作中はそれなりに多くなります。ですが、サイト制作中なのでアクセスはほとんどありません。
そして、サイトを公開した後は、画像のアップロードくらいで、頻繁にアップロードすることもありません。ダウンロードに関しても転送量が増えるのは自分でバックアップをする時くらいでしょう。もしサーバのバックアップ機能を使うのであれば自分でバックアップすることもほとんどありません。
少し具体的に考えてみます。月に1MBの画像を100枚上げたとしても転送量はたったの100MBです。メールの送受信よりもコントロールしやすく、転送量もたかが知れています。
※画像で1MBは大きいです
よって、「誰かがWEBサイトを見る」つまり基本的にはアクセス数だけ考えれば問題ないと思います。
アクセス数について
それでは、アクセス数とデータ転送量の関係性を見ていきます。
まずは、想像しやすいようにこのページの転送量を見てみましょう。
420KB transferred(青い枠)が転送量になります。ちなみに、その隣は5.5MB resources(緑の枠)となっています。これは、圧縮していないときのデータの大きさとなります。
実は、ダウンロードされるときは圧縮されて送られることが多いのです。簡単にまとめると、「5.5MBが420KBに圧縮されて転送された」ということです。
さて、この値で検証したいと思うのですが、僕のサイトは転送量が少ないように思います(広告はありますが、画像がかなり少ないため)。よって、少し多めに見て、1アクセスあたり1MBの転送が発生するとして検証してみたいと思います。
※自分のサイトの転送量も見てみてくださいね
アクセス数と転送量
アクセス数に対する転送量を見てみましょう。
1アクセスあたり1MBの転送量の場合
アクセス数/日 | 転送量/日 | アクセス数/月 | 転送量/月 |
---|---|---|---|
100 | 約100MB | 3,000 | 約3GB |
1,000 | 約1GB | 30,000 | 約30GB |
10,000 | 約10GB | 300,000 | 約300GB |
100,000 | 約100GB | 3,000,000 | 約3TB |
※ひと月=30日計算
参考までに1アクセスあたり2MB、3MBの場合も載せておきます。
1アクセスあたり2MBの転送量の場合
アクセス数/日 | 転送量/日 | アクセス数/月 | 転送量/月 |
---|---|---|---|
100 | 約200MB | 3,000 | 約6GB |
1,000 | 約2GB | 30,000 | 約60GB |
10,000 | 約20GB | 300,000 | 約600GB |
100,000 | 約200GB | 3,000,000 | 約6TB |
※ひと月=30日計算
1アクセスあたり3MBの転送量の場合
アクセス数/日 | 転送量/日 | アクセス数/月 | 転送量/月 |
---|---|---|---|
100 | 約300MB | 3,000 | 約9GB |
1,000 | 約3GB | 30,000 | 約90GB |
10,000 | 約30GB | 300,000 | 約900GB |
100,000 | 約300GB | 3,000,000 | 約9TB |
※ひと月=30日計算
目安まとめ
転送量目安は大体どれくらいなのでしょう。
10個のレンタルサーバーのいろいろなプランを表にまとめて確認してみました。すると、少ないものでも160GB/日、4.8TB/月、そして300GB/日、9TB/月というパターンが多いという感じです。
ですので、1日あたり1万アクセス、ひと月で30万アクセスくらいであれば、1アクセス3MBの場合でも、約30GB/日、900GB/月くらいです。これくらいであれば特に気にする必要はありませんね。
では、月間300万アクセスの場合はいかがでしょう。この場合、1アクセスあたり3MBの転送量であれば、約9TB/月となります。こうなると転送量目安を超えてしまう可能性が出てきます。
とは言いましたが、実際にサイトを立ち上げてすぐに300万アクセスに至ることはありません。よって、転送量に関してはそこまで気にする必要はありません。
ただし、サーバ移行の場合は、現状のアクセス数を把握の上、レンタルサーバーやプランを選ぶ必要があります。
番外:転送量課金が無料とは?
転送量課金が無料になっている場合は、転送量が目安を超えても追加で費用は掛かりません。
ですが、制限は掛かるかもしれません。制限とは、例えばアクセスに時間が掛かったり、アクセス自体できなくなったり等です。
アクセス数が多いサイトの場合は被害が大きいですよね。アクセス数がそれなりに増えてきたら、レンタルサーバーに問い合わせてみるのも良いと思います。サイトにアクセス出来なくなると困りますので、お気を付けください。
まとめ
転送量目安はそこまで神経質にならなくても良さそうです。
参考までに、一日あたり1万アクセス、つまり月間30万アクセスくらいだと、転送量目安が3TB/月以上であれば、特に気にする必要はないと思います。
もし、サイトが軌道に乗って月間アクセス数が100万を超えてきたら、一度レンタルサーバーに問い合わせて大丈夫か確認してみると良いでしょう。
何はともあれ、サイト立ち上げ時は転送量目安に関しては何も心配ないと思いますので、他の機能や容量で選ぶと良いと思います。
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